東京の喧騒を後にし、東海道新幹線「のぞみ7号」に乗り込んだのは、夕方が近づく頃だった。仕事の資料を詰め込んだ鞄の重さが、今日の一日を象徴しているようだった。だが、窓の外に広がる青い空と、その下を切り裂くように走る車窓の景色が、私に一つの儀式を思い出させた。そう、東海道新幹線での「シウマイ弁当」を楽しむ時間だ。

横浜の崎陽軒が誇るシウマイ弁当は、どんなに疲れていても、あるいはどれほど気分が沈んでいても、私をひとときの幸福へと誘う。黄色い包装紙に描かれた赤い龍のイラストは、もはや旅のアイコンと言っても過言ではない。乗車前に東京駅で購入したその弁当を、テーブルの上にそっと置いた。車内アナウンスが流れる中、包みを開ける瞬間には、ささやかな緊張感すら感じる。
蓋を開けると、そこには完璧な配置で並ぶ白米、梅干し、黒ゴマ、そしてシウマイたち。整然としたその光景は、どこか企業としての矜持を感じさせる。私は箸を手に取り、まずはシウマイへと手を伸ばした。みっちりとした肉感が口の中で広がると、ふと「これこそが旅の味だ」と心の中でつぶやいていた。

旅と食の融合
新幹線のシートに深く座り込み、弁当を楽しむ時間は、私にとって旅のハイライトの一つだ。移動時間は単なる移動ではなく、過ぎ行く風景とともに味覚の旅も並行して進んでいく。シウマイの他には、玉子焼きやかまぼこ、筍の煮物などが彩りを添える。一つ一つの具材を味わうたびに、製作者のこだわりが伝わってくるようだった。
弁当を半分ほど平らげたところで、ふと思いついた。今日は特別な一品を追加したのだ。鞄の隅にしまっておいたハーゲンダッツの小さなカップを取り出す。新幹線車内でアイスを食べるのは、少し贅沢な気がするが、こうしたささやかな贅沢こそ、旅の記憶を豊かにする。
スプーンを手に取り、濃厚なバニラアイスを一口味わった瞬間、シウマイの塩気と絶妙なバランスを保ちながら、甘さが口の中を包み込んだ。これほどまでにシウマイ弁当とハーゲンダッツが合うとは。
新幹線の旅の魅力
ふと窓の外を見ると、夕暮れが始まり、空がオレンジ色に染まっていた。新幹線の速度がもたらす時間の流れと、外の景色が織り成すコントラスト。大阪に着くまでの数時間、私はシウマイ弁当とハーゲンダッツというユニークな組み合わせを心ゆくまで楽しみ、その後も残った景色に思いを馳せた。
人生の豊かさは、きっと特別な瞬間や小さな驚きを見つけることにあるのだろう。シウマイ弁当とハーゲンダッツ、この二つの出会いは、私にそんなことを改めて教えてくれた。
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