オゼンピック、腎疾患リスク低減で新たな可能性

Science

2025年1月28日、米国食品医薬品局(FDA)は、ノボノルディスク社の糖尿病治療薬「オゼンピック(セマグルチド)」を、2型糖尿病と慢性腎疾患を併発する患者に対し、腎不全や心血管疾患による死亡リスクの低減を目的として使用することを承認しました。

この承認は、3,500人以上の2型糖尿病患者を対象とした最終段階の臨床試験に基づいており、オゼンピックがプラセボと比較して、腎疾患の進行および腎臓や心血管系の合併症による死亡リスクを有意に低減する効果が確認されました。

欧州連合の医薬品規制当局も、2024年12月に同様の適応拡大を承認しており、オゼンピックの適応範囲は国際的に広がっています。

従来、糖尿病治療薬として開発されたSGLT2阻害薬も、腎保護効果があることが示されており、慢性腎臓病の治療薬として注目を集めていました。 その中で今回のオゼンピックの承認により、GLP-1受容体作動薬が腎疾患の進行抑制や心血管リスクの低減に効果を持つことが新たに示され、治療の選択肢が広がることとなりました。

米国疾病対策予防センター(CDC)によれば、糖尿病を抱える成人の約3人に1人が慢性腎疾患を発症しており、糖尿病患者の腎臓病リスクは高いとされています。 このような背景から、オゼンピックの新たな適応承認は、糖尿病と腎疾患を併発する多くの患者にとって大きな希望となるでしょう。

さらに、ノボノルディスク社は、GLP-1受容体作動薬の効果を肥満治療や心血管疾患リスクの低減だけでなく、アルツハイマー病や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)など、他の疾患への応用も研究しています。 これらの研究が進むことで、GLP-1受容体作動薬の適応範囲はさらに広がり、医療現場における治療戦略に大きな変革をもたらす可能性があります。

今回のFDAによるオゼンピックの新たな適応承認は、糖尿病治療薬の新しい可能性を示すものであり、今後の医療現場における治療選択肢の拡大に寄与することが期待されます。

reuters.com
wsj.com
腎保護作用が最も強いSGLT2阻害薬は? -薬剤間の薬効差を比較- | 佐賀大学広報室
国立大学法人佐賀大学のホームページ。

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