認知症への関心は日々高まっており、TVや本を通じてこの病気についての情報を得る機会は多いと思います。
そんな中で最近よく耳にするのがこの「認知症カフェ」。
興味はあったのですが、イマイチ何のための場なのか、またどのような取り組みがなされているのかシズクは知りませんでした。
そこで本記事では備忘録を兼ねて、認知症カフェの基礎について書き留めてみました。
また今後、何があればより有意義な場になりそうか?について私見の種を蒔いておこうと思います。
そもそも認知症カフェとは??
“認知症カフェは、認知症の当事者やその家族、知人、医療やケアの専門職、そして認知症について気になる人などが気軽に集まり、なごやかな雰囲気のもとで交流を楽しむ場所である。“
引用元:Wikipedia
“名称は、認知症カフェの他、オレンジカフェ、もの忘れカフェなどの表現もある。“
・厚生労働省HPより
新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)において、認知症の患者さんがこれまで所属してきた環境の中で、自分らしく暮らし続けられる社会を目指すとしています。
この実現へ向けた7つの施策のうち、「認知症のひとへの介護者への支援」への具体的な取り組みとして、認知症カフェが推進されています。
一般的に、認知症カフェとは専門職や研修を受けた市民ボランティアが参加する場を指しているようです。
(専門職やボランティアを必要としない場は「サロン」と呼ぶほうが多いようです。)
認知症カフェの大きな効果として、単に認知症患者さんやその家族と医療従事者が交流を深めるだけでなく、患者さんが自分の存在意義を確かめるコミュニティとなることが挙げられます。
加えて興味深いのが、病気そのものに興味がある一般の方も参加できるというコンセプトです。
シズクとしては、一般の人々であっても話し合って理解を深めることが重要だと思うので、このような場はとても有用だと感じます。
認知症カフェにおける現在の取り組み
以下文献の中で、各地の認知症カフェで行われる具体的な取り組みがまとめられていたので引用させていただきます。
認知症カフェおよびサロンにおける認知症者とその家族支援についての文献的考察
- 喫茶、家族同士の会話
- 頭・体の体操、ゲーム、散歩
- 園芸、手工芸、料理
- 当事者や専門家の講話
- ボランティア
- 興味関心シートでの評価
患者さんやそのご家族のコミュニケーションを促進する、あるいはやりがいを感じられるレクリエーションを用意するというのは予想しやすいですね。
セミナーを通じて有識者から直接知識を得るパターンもあります。
またボランティアについては、社会貢献を通して生きがいを感じられる施策として、一歩踏み込んだ取り組みと感じます。
興味深いのはシートによる評価ですね。セルフチェックに用いるほか、今後の治療方針を考えるうえで良い指標として活用できるかもしれません。
著者は認知症カフェの現状をまとめたうえで、以下のように結論づけています。
“1.認知症カフェおよび認知症者に関連するサロンの開設の要素を明らかにすると,認知症者やその家族にどのような影響を及ぼすのか検証することができる。 2.認知症カフェの効果については,家族の心情の吐露や家族の人生の回顧等,サロンの効果については,参加者の楽しみの増加や参加者の対人交流の増加等を参加者への効果から明らかにすれば,認知症カフェおよび認知症者に関連するサロンに繋がる継続要因を明らかにすることができ,認知症者とその家族が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けていくための支援の方策に繋げることができる。
“ 引用元:認知症カフェおよびサロンにおける認知症者とその家族支援についての文献的考察
これまでのデータを振り返ることで、どんな取り組みが患者さんやその家族へ貢献するかとか、効果をあげ続けるには何が必要かを読み取れる、ってことだね!
これら現状を把握したうえで、シズク的に認知症カフェにあったらいいなぁと思える取り組みを考えてみました。
認知症カフェに今後求められる機能とは
当事者が必要とする医療や社会制度の集約と提案
それぞれの認知症カフェの中で、患者さんやその家族および医療従事者が交流する場として発達しつつあります。
その一方で、各カフェの連携についてはあまり進んでいない状況と感じます。
上の文献のなかで、直営の地域包括支援センターが実施する認知症カフェやサロンは、委託のものより有意に高く評価されていたことを示しています。
これをもとに著者は、
“…地域の課題を把握している自治体との連携は欠かせないと考える。“
引用元:認知症カフェおよびサロンにおける認知症者とその家族支援についての文献的考察
“…認知症カフェと認知症者に関連したサロンそれぞれの特性を生かし,連動することで,地域包括ケアが目指している,認知症者とその家族にとって住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けていくための支援となるように取り組みを考える必要があり,このことが課題であるといえる。“
と考察しています。
その取り組みのひとつとしてシズクは、それぞれの患者さんが実際に暮らすコミュニティにとって何が必要なのかをまとめる役割があれば良いと感じました。
共通して挙げられる医療あるいは社会制度の課題を集約し提案することで、さまざまな機関がよりインパクトの高いサービスを生み出す種になるのではないかと思います。
患者さんの家族同士を対象としたコミュニケーションツール
患者さんや介護されるご家族にとって、治療方法や問題などを共有できる同じ立場の人がいるのといないのとで、メンタルの在り方に大きな差が生じることはすぐに想像できます。
認知症カフェにおいて、その場だけでなく遠くにいる同じ立場の人と繋がることができる手段を提供することは有用ではないでしょうか。
パッと思いつくのはオンラインチャットサービスといった遠隔での交流手段の整備ですかね。
これについては、どのようなツールがあるかまた探してみようと思います。
さいごに
ここまで考えてふとシズクは感じたのですが、患者ではないひとにとって、直接病気と関わりのない立場で参加してもいいのかな?と気後れするようにも思いますね。
ただそのようなひとについても病気への理解を深めることは社会にとって間違いなく重要だと存じます。
僕もこの取り組みを支援できるようアイデアを考えていきたいな!
また認知症以外の疾患にも応用できると感じます。「〇〇カフェ」が今後増えていくといいですね。
コメント
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