先日投稿した認知症カフェの記事について、思いがけずたくさんのアクセスをいただいております。小さいブログにも関わらずお読みいただき誠にありがとうございます。
せっかく反響をいただいてますので、もう少し認知症カフェについてお役に立てそうなアイデアが出せないか…と悩んでおりました。
認知症カフェの中で行われている主な取り組みは、実際の医療ケアに役立つ情報のセミナーや患者さんやそのご家族のコミュニティづくり、楽しく充実した生活を送るためのレクリエーションなどでした。
そこでこの記事では、さらに認知症カフェの活性化につながるようなアイデアと、それを実現するうえで協力しうるパートナーについて考えてみたいと思います。
こんなことが出来たらいいなぁ、と考えながらいろいろと書き連ねております。少しでも認知症カフェの活性化に貢献できれば幸いです。
精神的ケア:臨床心理士・公認心理師
認知症の治療に対するケアについては、すでに医師や看護師、介護士によりセミナーといったかたちで行われています。
専門的知識や最新情報に基づくノウハウは、広い分野から提供されたほうがよいと思います。
その意味でひとつ有用と考えるのが、患者さんのみならずその周囲の方々、また治療に携わる方々も含め、精神面でのケアにおけるアドバイザーの存在ではないでしょうか。
例えば臨床心理士や公認心理師といった、メンタルヘルスへの専門的視点からの考察が可能な方が近くにいれば、こころの負担を和らげるためにどういう施策をとればよいか、というアイデアがより浮かんでくるかもしれません。
困難な課題に取り組む方々も多いと思います。一人ひとりご自身のケアについても拡充していけば、よりコミュニティとして活性化するように感じます。
IoTによる認知症カフェの環境整備:エンジニア、ITコンサルティング
前回のブログ記事でも触れましたが、認知症カフェ同士のコミュニティを形成する手段があれば、困ったときの相談がよりしやすくなるかと考えております。
このようなオンラインコミュニケーションツールとしてZoomなどの遠隔会議システムが注目されています。
一般社団法人認知症フレンドリージャパン・イニシアチブさんでは、すでに2017年よりオンライン会議での認知症カフェを開催されているとのこと。
このような取り組みがさらに発展していくことで、遠くの患者さんや周囲の方々同士でつながる場となっていきそうですね。
シズク的には、オンラインということで参加する壁がより低くなったようにも感じます。
やはり実際に参加させていただくほうが、より実感を持って皆さんが抱える課題について考えやすくなりますよね。
また、遠隔コミュニケーションに実用可能なロボットなども出始めています。
このようなデバイスを用いることで、より遠隔地同士でのコミュニティが身近に感じられ、課題や情報を共有しやすくなると思います。
日常生活の充実に向けたサービス提供:生涯学習
患者さんのQoL向上は、なんといっても認知症カフェの重要な役割です。
ボランティア活動をはじめ、患者さん自身が周囲に貢献していると感じられる場の提供は、現在行われているなかでも興味深い取り組みです。
今後はさらに、患者さん一人ひとりの職歴や長所を踏まえ、生涯活躍するための学習の機会が増えれば、より生き生きと暮らすことができるとシズクは考えます。
ゼロから何かを学ぶというよりは、かつての経験に即した知識や、それを活かせる場所を無理のないかたちで提供し続けることは、患者さんの生活にハリが出る意味でも良いかと思います。
また少し見方を変えて、例えば就職・転職斡旋会社のノウハウを活かして、より非営利的な活動への適性について調べるようなツールがあれば、そこから患者さんの実情に即した仕事をマッチングすることができるかもしれません。
さいごに:認知症に対する創薬の動向
何かシズク自身が提供できる情報はないか…と考え、元製薬研究出身の立場から認知症創薬関連のニュースを少し載せておこうと思います。
少し前は、期待されていたアルツハイマー病への新薬候補が続々とドロップアウトし意気消沈ぎみだったのですが、去年あたりから再び盛り上がりをみせています。
特にエーザイ/バイオジェンによるアデュカヌマブのアメリカ食品医薬品局(FDA)承認申請についての発表は、日本のみならず世界的にも注目されています。
一度は失敗した臨床試験について、再解析により認知機能悪化の抑制作用を再び見出しています。
かなりイレギュラーな申請という意味でもその動向を気になる方が多いですが、長らく停滞していたアルツハイマー病創薬を活性化する良いきっかけになれば嬉しいですね!
アデュカヌマブの臨床試験結果が発表されたCTAD2019では、他にも興味深い研究結果が出ていました。また気になる話があればぜひコメントくださいね。
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