青信号を走る子供は何処へ行くのだろうか。

シズクのこぼれ話

自転車の信号待ち。

青信号の横断歩道を駆け足で渡る子供に、ふと目を奪われました。

穏やかな昼下がりのなか、彼だけ一心不乱に走る。青の点滅が終わってしまう前に渡れるよう急ぐ。

知ってるわけでもなく、特別目立つ格好なわけでもないんやけど、あの真剣さに何か心を打たれる。その光景にしばらく魅入ってしまいました。

子供はすぐそばの美術館のほうへ駆けていく。高架をくぐり、光の中へ消えていく。

進行方向の信号が青になって、自転車を漕ぎ出す私。

ひたむきさや眩しい夢。

浮かびかけた心象風景は陽射しの中へ消えていき、何事もなかったかのように穏やかな昼下がりは続いていきました。

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